美容外科の仕事1

美容外科の基礎には形成外科があります。骨折や火傷、裂傷など様々な要因で損傷が与えられた肉体の部分を、正常な状態に復元する医療分野です。乳がん手術などで失われた乳房を再建するのも形成外科の受け持ちです。美容外科における豊胸手術などは、このラインにあると言えるかもしれません。損傷の復元という事では、極端な外科手術の手術痕を消し去る、などの治療は、形成外科よりむしろ美容外科の守備範囲でしょう。

美容外科の基礎には皮膚科もあります。いわゆる皮膚病の治療に代表される医科ですが、近年は美容皮膚科という呼び方もあるように、審美的意味で多くの部分が美容外科と重なり合っています。ニキビ、赤ら顔、アトピー性皮膚炎、日焼け、火傷、あざ、ホクロ、シミ、そばかす、肌荒れなど、様々な症状は美容外科でも治療可能です。ワキガの治療なども皮膚科から受け継いだ美容外科の仕事です。

美容外科には婦人科の要素も含まれます。主に女性器とバストに関する治療です。産後の女性器復元や、近頃はニーズも減少していますが処女膜再生なども美容外科では行われます。むしろ近年はビキニラインの脱毛や、豊胸へのニーズの方が高まっていることはお判りいただけると思います。

美容外科の最も重要な治療は「美容」に関するものです。理想のルックス、理想のプロポーションを実現するための、現代の錬金術です。隆鼻術や二重瞼の治療は、数ある美容外科の治療メニューの内でも長い歴史を誇ります。最近でこそ、日本人のルックスは全体的にあか抜けてきているのですが、かつては純日本的ルックスにコンプレックスを抱く人が多かった時代がありました。近年は「外人顔」への憧れも下火となり、よりナチュラルなルックスこそが時代の趨勢です。

形成外科をルーツに持つという関係から、再生医療の応用は比較的早くから美容外科において行われてきました。そのラインに、現代の美容外科が担うアンチエイジング治療があるわけです。外科的に、物理的に表情やボディラインを若返らせていた時代から、ナチュラルに細胞そのものを若返らせていこうという方向に、美容外科はシフトしつつあります。すでに多くの成果が、この新しい分野にもたらされているのです。

 

美容外科の参考情報  →  美容外科の進化と未来 - 美容外科は日本でこそ花開く