先ほども触れましたが、我々日本人の顔立ちもずいぶん変化したと思います。江戸時代末期から明治にかけての日本人を写した写真に見られるのが、本来の日本人の顔なのです。これは戦時中のニュースフィルムなどを見る限り、敗戦までは確実に継承されていました。もちろん美容外科など存在しなかった頃の話です。
戦後間もなくからの日本映画を観ていますと、明らかに新しい顔立ち、ルックスの変化が始まります。加えて恋愛と結婚の自由化が始まり、日本全国の県民間で交流が盛んになります。日本人のルックスはどんどんあかぬけたものとなっていくわけですが、ここで旧時代の「伝統的日本人的ルックス」を持つ人々に新たなコンプレックスが生じてくるのです。誰もがモダンなソース顔に憧れました。日本で美容外科が発展するのはその頃です。
今でこそ切れ長な一重まぶたもまた涼しげでよいものだ、という価値観は多くの人の認めるところですが、敗戦ショックの冷めやらぬ頃の日本人にとって、日本的なるものは全てダサいものだったのでしょう。美容外科が提供する二重瞼と隆鼻術はそうした時代の要請だったのでしょう。ただ、治療にあたる美容外科のドクターたちは、もっと正しい「日本人の理想的ルックス」を研究し続けていたのです。
美容外科が提案する理想のルックスは、それぞれの時代のトレンドを反映しているのはもちろんですが、エバーグリーン的なスタンダードと呼べるものもまた確かに存在します。実際、ルックスの好みについては時代によってかなり開きがあるもので、たとえば小野小町を現代の美人女優が演じるのは、厳密に言えば無理があるのです。平成に入ってから作られる時代劇のジャンルにSFファンタジー的なものが増えたのも、日本人のルックスの変化が関係しているかもしれません。
美容外科のドクターが推奨するナチュラルで美しい表情というのは、そうしたトレンドとはちょっと違っていて、むしろオールタイムベストと呼ぶべき「基本の美」なのです。だから誰が見ても違和感のない「すっきりと美しい」表情がベースにあって、そこに本人の個性が理想的にミックスされるわけなのです。ほとんどのユーザーは「鼻を高く」「目元をぱっちり」などパーツにこだわりがちですが、美容外科のドクターはトータルバランスを重視します。
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